日本語ボランティアの日々2021年09月10日 19:14

留学生を含む外国人の日本語学習支援を始めて6年と3ヶ月。その間、13カ国23人に延べ500回を超えるレッスンを行ってきた。内容は様々である。たとえば大学院の留学生なら、論文やエントリーシートの日本語チェック、日本語能力検定試験の対策からビジネス会話や日本文化の紹介まで幅広く対応する。地元の国際交流ラウンジで日本語を学ぼうとする外国人であれば、“あい”で始めるひらがな・カタカナから、生素材による生活のための「やさしい日本語」まで、暮らしに役立つ言葉の習得を支援する。
 すべて日本語を使って行うからと言って日本語ネイティブなら誰でもできるわけではない。それを最初に出会った留学生に教えてもらった。彼女が通う横浜駅にほど近い日本語学校の学園祭に誘われて訪ねた折、日本語課の担任の先生に紹介され、この学校が開いている日本語教師の勉強会を知った。本格的な講演は有料(安価!)だが、勉強会は無料で、しかも学校外の日本語教師のみならずボランティアも受け入れてくれる。延べ15回以上は通った貴重な“学び”の場である。もちろん、現在所属しているNPO法人「RKK(留学生と語り合う会)」や港北国際交流ラウンジが主催するブラッシュアップ講座を始め、東京目黒の「さぽうと21」やYOKE(横浜国際交流協会)、国際言語文化アカデミア、そしてカナファンステーションの金子広幸先生にもお世話になった。
 実は、そうした講座の内容が直接的に役に立つこと以上に、聴講する中でいかに自分は日本語を知らないか、あるいは忘れているかに気づくことが多い。それは留学生との関わりを一つのきっかけとして日本の古典や伝統文化に触れる機会を多く持つようになった今でも日々痛感する。だから、対面が難しければオンラインの講座を聴講し、このようなアウトプットを続けながら自らが語る言葉も日々確認している。
 今日9月10日は中国で「教師の日」だと、最近支援を始めた留学生に教えてもらったが、もしかしたら活計(たつき)の仕事の方が楽だったような気さえするのは思い違いだろうか。“学んだことしか教えられない”という最近知った言葉が胸に刺さる。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://amiyaki.asablo.jp/blog/2021/09/10/9426683/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。