日本語を知らないコンサル2023年10月05日 21:32

昨日のジャニーズ事務所会見に関して流れてきたTwitterもとい“X”の某リスト写真を見て、最初はさもありなんと感じましたが、同時に、私が大変興味を引かれたのは会場レイアウトの両側に示された“氏名候補記者”と“氏名NG記者”という見出しです。これはおそらく“指名”の間違いだと思うのですが、段取りを行ったコンサルが日本語もまともに使えないアルバイトに資料を作らせたのかと思いました。どうやら外資系のようですが、発注元を含めなんといい加減な世界なのでしょうか。こういうことに段々驚かなくなっていくのが少し怖いぐらいです。

大事な事を伝えないメディアの実態2023年10月06日 21:34

世の中が“旧ジャニーズ”の会見で喧(かまびす)しいなか、いつもはおとなしくしているNHKニュースが一緒になって騒いでいます。芸能事務所の茶番報道は民放にまかせ、今は以下のようなことを追求するのが“公共”放送としての“役割”ではないでしょうか。あの「篤姫」様ならきっとそう言うでしょう。
 大阪万博のずさんな計画と悲惨な現況への国税投入の可能性
 米軍も顧慮(こりょ)しない辺野古新基地建設への強制代執行の動き
 インボイスの煩瑣な事務処理膨張と納税事業者から切り捨てられる零細事業者の困窮
 東電福島事故原発の2回目の汚染水放出による影響拡大
 首相に続く閣僚の公選法違反疑い
 維新の元議員による脱法行為の数々
 ウィシュマさんを殺した入管担当者不起訴の国際問題
 新型コロナとインフルエンザによる救急医療の逼迫
 大企業の賃上げが非正規労働者に何のトリクルダウンも起こさない実態
 消費税がトリクルアップになっている現実
 殺傷能力のある武器輸出を進める政官財の思惑
 アベノミクスの大失策による円安の定着と貧困層の拡大
 国民皆保険制度の廃止検討
 他にもやるべきことは山ほどありますが…思い付くだけで溜息が出ます。
 たとえば、これを留学生にどうやって日本語で説明したら良いのでしょうか。悩ましい日々が続きます。

追善の狂言2023年10月10日 21:36

昨日は千駄ヶ谷の国立能楽堂で狂言「やるまい会」を鑑賞。先代野村又三郎の追善公演ということで、孫の信朗氏の東京初演となる『釣狐』、息子の当代又三郎師の『川上』、野村萬師を迎えての『鉢叩』に加え、信朗氏が東京藝大邦楽科で指導を受けた二名の先達がそれぞれ『融』・『玉の段』を舞いました。狂言の演目はいずれも初めて観るもので、笑いの部分が少なく全体として能にも近いと感じました。ただ、キツネが化けた老人にはその仕草のところどころにふと出てしまうといった“けもの”的な動きがうまく採り入れられていたり、小道具のワナが凝っていて、キツネの装束で餌欲しさに身もだえするところは大変面白かったです。『川上』では盲目の主人公が橋掛かりから杖を突いて舞台に登場し最初は一人語りで進みますが、霊験で開いた目が、夫婦の絆で再び閉じ、愛情深い同行二人で退場することになるのは、非合理という狂言の一世界だと思いました。最後の「鉢叩」は空也上人の踊り念仏を髣髴とさせる演目、9人の僧が手に持った楽器(瓢箪や鉦、竹竿など)を打ち鳴らしユニゾンで謡いながら、リズムに乗って身体を捻り次々と念仏を唱えて踊るという、追善の名にふさわしいもので、野村二家が揃って故人を偲ぶ場に立ち会ったようなものです。野村萬師のお元気な姿を拝見し、面を付けたふくべの神の登場など面白いところも見ることができました。

現実もメディアも非対称2023年10月14日 21:58

例によって「報道特集」を録画視聴しました。テーマは「緊迫のガザ」と「旧統一教会の今後は」。後者は初期の霊感商法と旧日本人幹部への取材、細田前議長の会見を簡単にまとめた程度で、解散請求以後の動きが本格化するまでは小休止のような状態です。
 それよりも、イスラエルの地上侵攻が近いとされるガザの方が現時点では、“国際的”にも重要な喫緊の問題でしょう。何よりパレスチナ人の一般市民が集住している地域に行われた砲撃と空爆で既に数千人規模の犠牲者が出ていますが、南側へ避難を強要しつつ進めているイスラエルの地上侵攻には国連も反対しています。巨大なゲットーのような自治区の半分100万人を越える人々の避難など不可能であり、被害の拡大が容易に想像できるからです。もちろん、既にインフラを絶たれた難民地区での生活は悲惨な状況に陥っています。
 ハマスの急襲や拉致は決して正当化できるものではありませんが、現イスラエル首脳部がこの“極右武装組織”の暴発を利用しようと考えていることは、過去の彼らの発言から十分に類推できます。あわよくば、ガザ地区“北部”の軍事的な制圧と実質的な属領化も視野に入っているように私には思えます。
 「報道特集」では、TBSの記者と村瀬キャスターが現地入りして、イスラエル側最前線のガザと境を接する北東地域二ヶ所から報告・中継しましたが、ガザ内部の取材はAFPとアラブ系メディア(アルジャジーラ?)らしき映像が使われています。それだけ、危険な状況にあるのでしょう。何しろ昨年5月の軍事応酬では海外通信社のビルもハマスの活動拠点だと言われてイスラエルに空爆された実績がありますから…。
 特集の中で特徴的だったことの一つは、ハマスに家族を殺されて逃げてきた二名のイスラエル女性への取材にあります。彼女の発言の中に「このテロ組織は歴史上最悪の動物」という表現があるからです。最後のまとめで村瀬氏がこの言葉はイスラエル閣僚の発言と言い添えていますが、これは現国防省、そして首相や前国防省も使い始めました。
 TBSが直接取材したこともあってか、発言した二名の女性にはいずれも個人の名前が出ます。しかし、ガザの取材映像に同じように家族を失ったパレスチナ男性が出てきますが、彼の名前はありません。情報の非対称は明白です。
 私はつらつらと観ながら、ある過去の歴史を思い浮かべました。「水晶の夜」に始まるホロ・コーストとアメリカ西部開拓時代の先住民虐殺です。対象を非人間化し何をしてもかまわないと思考停止する。ハマスを「地上から抹殺する」(イスラエル国防相発言)という言葉がなぜか共鳴して、その対象がいつのまにかパレスチナ全体へ拡がるように聞こえてしまうのを禁じ得ないのです。

ホロコーストに通底する蛮行2023年10月21日 22:00

今、ガザで行われていることはホロコーストと通底している。ハマスをパレスチナ人全体と拡大解釈し、オスロ合意を破って新たな植民地域を広げ、いずれは自治区から追い出そうと考えているイスラエル右派は、思想的にナチスと何ら変わらないように思える。