人新世を生き残る道2023年12月17日 22:22

かれこれ3週間ほど前に放送されたETV特集「人新世 ある村にて」を録画で観ました。1950年代以降の地質にそれまでにはなかった人類による環境への新しい影響が現れ始めたことを指して、地学上の大きな時代区分として近年注目されている「人新世」ですが、その具体的な実態をインドネシアの寒村に取材しています。先進諸国から運ばれた膨大な量の廃棄プラスチックの一部を、地表で乾燥させる“プラスチック農家”、それを木材に代わる燃料として使う「揚げ豆腐」の工場、大量生産・大量消費の資本経済が生み出した最終処分地の一例です。ダイオキシンを多量に含む煤煙はもちろんのこと、地球環境全体にもつながるマイクロプラスチックの外気放出が問題になっています。
 あらゆるものが多種多様に作られ、大量に運ばれ、さまざまな業態の店頭に並ぶ風景がごく当たり前の日常になりました。物流の危機を伝える「2024年問題」で騒ぎながら、一方ではブラックマンデーがどうのこうのという広告がネットにも目立ちました。しかし、拝金主義のなれの果てのような大量消費社会はいずれ破綻するでしょう。
 現在、私のような本以外の物をあまり買わない少数者は“金儲け”のターゲットとして認識されません。“経済合理性”とも隔絶した存在で、外国人への日本語学習支援の傍ら、時には見えないモノを観るために芸能のライブに通うような一老人の存在など、社会に何の影響も及ぼさないことは事実です。
 それだからこそ「万博」などという絵空事とは全く関係のない、地域でのささやかな集まりと、そこでのわずかな買い物こそが重要です。何も生み出さない人間がいうのもどうかと思いますが、地産地消という経済活動が、日本人が生き残るための現時点で最も現実的な解の一つだと言えるのかもしれません。

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