地方局ドラマの佳作2020年03月10日 09:08

カミさんが、無聊を慰める為に、昔読んだ漫画の文庫本を書棚の奥から引っ張り出して読んでいる。しかも、既に同じシリーズの二回り目(再読)に入った。佐々木倫子の『動物のお医者さん』。北海道の大学獣医学部を舞台にした作品でドラマ化もされている。チョビと名付けられたシベリアンハスキー犬とその飼い主が主人公だが、周りを取り囲む普通でない脇役連中を相手に、“平熱”が故に翻弄される彼らの姿が実に自然に描かれている傑作だ。
 昨年暮れ、その原作者佐々木倫子が描いた別のシリーズ『チャンネルはそのまま!』が、北海道でドラマ化されていて、2019年度日本民間放送連盟賞のテレビ部門でグランプリに輝いたと知った。年明け、制作したHTVの所属する全国ネット系列で再放送されたのを録画して視聴した。低予算で作られる地方局制作のドラマが高評価を得るのはなかなかに難しいところだが、“地方”であることに着目しながらも、どこにも通ずる“人並み”ゆえの“可笑しみ”をとても丁寧に作っている。もちろん、それはしっかりした原作があってのことではあるが、中央への一極集中による無個性で何の取り柄もないキー局の情報バラエティへの“批評”にもなっている。ドラマの再々放送予定は今のところないようだが、原作漫画の方が何倍も面白いので、未見の方は是非この機会に。

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