パーソナルな映画祭2019年03月18日 11:42

今週末、地元の大倉山記念館で恒例のドキュメンタリー映画祭が開かれる。今年で12回目を数えるが、私はまだその半分ほどしか関わっていない。退職した翌年の2014年第7回に『シバ −縄文犬のゆめ−』と『壊された5つのカメラ』を観て、1日だけボランティアをした。翌2015年第8回は『60万回のトライ』『夢は牛のお医者さん』『消えた画 クメール・ルージュの真実』の3本を観て、準備から撤収まで通しのボランティアを行った。その後、実行委員会へ誘われ、翌2016年から今日に至る。第9回では自ら推薦した『オオカミの護符』を上映することもできた。
 先日開かれた実行委員会の席上で、最初に観た『シバ』の短い感想を語った。シバ、つまり柴犬の映画だから“犬”の映画だ。しかし、“犬”の映画であって“犬”の映画ではなかった。客観的に捉えられた動物の“犬”というより、「シバ」という括弧付きの犬に関わりを持った監督が、極めて個人的な興味・関心を元に、その犬の今のありようについて取材・編集し、観客に提示している不思議な映画だった。この映画を監督した伊勢さんの作品は、『シバ』に限らず極めて“パーソナル”なものである。そこには、たまたま出会った“もの”との関係を自分なりに“引き受ける”ことを決めた覚悟が感じられる。大倉山ドキュメンタリー映画祭で上映される多くの作品についても同じ事が言えるだろう。
 だからこそ、今年も関わり続けている。繰り返しになるが今週末の23,24日(土・日)に開かれるので、是非観に来てもらいたい。そこで、1本の映画が、自らの“パーソナル”へとつながる機会に出会うことがきっとあるはずだ。

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