街から本屋が消える2023年11月02日 22:04

もうかれこれ2週間ほど前のこと、最寄りの駅前の本屋が閉店しました。港北区では日吉・綱島・大倉山と3駅並んであった「天一書房」です。このうち日吉は丸善・ジュンク堂に変わり、大倉山は新規に営業を引き継ぐところがなく、綱島だけが残っています。新横浜駅ビルの三省堂も先々月に閉店し、身近なところから次々書店が消えてゆく現実に少し呆然としています。
 「〇anada」やら「〇iLL」やらのヘイト系雑誌が平積みされ始めた頃から、駅前の店ではあまり買わなくなっていたのですが、ちょっとしたムックを購入したり、新書・文庫の新刊を眺めたりすることは続いていたので、いざ無くなってみるとやはり不便です。閉店の一因に、件のヘイト雑誌なども買うような高齢者がコロナ禍で減ったこともあったようで、これはもう「何をか言わんや」です。
 さいわい、コロナ禍が始まった頃から妙蓮寺の「石堂書店」に通うようになっていたので、個人的にはさほど大きなダメージにはなっていませんが、やはり住む街から本屋が無くなるのは寂しいものだと勝手なことを考えたりもします。
 Amazonで買うことも稀にありますが、やはり実店舗で装丁を眺めたり表紙をめくって冒頭を読みながら選ぶ時間は至福です。時に、それで満足して買ったまま積ん読し、収拾がつかなくなっている実態も一方にあるのですが…^^;
 書店のない街に生まれ育ったので、幼い頃は雑誌を買いに少し遠出をしたりもしました。成人前に一人住まいした中野区の書店にはあまり記憶がないのですが、元住吉の「住吉書房」や武蔵新城の「早川書店」、菊名の「ポラーノ書林」など、印象に残っている街の本屋はいくつもあります。別用で訪ねたついでによった書店も数多くありました。国立の「増田書店」、西荻の「今野書店」、荻窪の「本屋Title」、下北沢の「本屋B&B」などなど…。それぞれに個性のある本屋を巡るのは楽しいものです。あちらこちらに新しい小さな本屋も生まれている一方、古くから営業している街の本屋がいつまで生き残れるのか、読書の衰退以上にとても大きな問題を孕んでいるように思えます。

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