メディアへの警鐘2017年12月20日 11:30

 東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)の『ニュース女子』が今年1月に放送した沖縄基地問題の特集について審議していたBPO(放送倫理・番組向上機構)の意見書が公表されている。持ち込み番組の考査に関わる6項目の不適正を挙げ、重大な放送倫理違反があったと判断した。
 地上波放送メディアの信頼性というニュース報道の根幹部分に触れた今回の事件だが、その背景には一次資料に基づかない偏見や差別感情による個人的な意見・判断をそのまま流す情報バラエティ番組の現状もある。さらには、“嘘”ではないかと判断されるような政府見解も、調査せずにそのまま発表する単なる広報に堕した番組も増えている。
 だから、一放送機関だけの問題ではなく、「報道の自由度」で年々その位置が降下していく現状の日本メディア全体の信頼にも関わる話だろう。国連人権理事会の特別報告者が日本政府へ送った書簡をみれば、まもなく5年を迎える現政権の下でジャーナリズムがどれだけ後退したか明らかなのだから…。