分裂する感染対策2021年05月02日 11:38

新型コロナウィルス変異株が流行しているとして、4月末に指定された海外特定地域からの航空機による帰国時の検疫チェックが異常に強化・複雑化していると聞いたが(五輪を想定してか?)、それに比べると、国内の閉空間での感染確認は異様に緩いように見える。高齢者が多いということもあるだろうが、“郵船クルーズ”とかは特別扱いなのだろうか。ダイヤモンド・プリンセスの頃とは状況が全く違うと思うのだが…。

オワコンの実態2021年05月10日 11:41

テレビがオワコン(終わったコンテンツ)と言われて久しいが、受信料を徴収する“公共放送”NHKも生き延びるのに必死だ。緊急事態宣言が一部ではあれ再々度発令されて迎えた大型連休の初日。4月29日のテレビ欄は外出自粛を促すような新鮮なコンテンツに溢れるものだと思っていた。
 結果は見ての通りである。少なくも同様の編成は連休最終日の本日も続いていた。再放送を表す「再」はもちろん、直近でなければ「選」というキーワードも使う。著作権上の処理が違えば、大昔のコンテンツ(自局ドラマ・洋画など)は新規扱いだし、「SP(スペシャル)」や「蔵出し・お宝・名場面・」も再編して出せる。その中にあって、連日放送している新番組もあるにはある。『聖火リレー』だ。
 昨年、経営計画でBSやラジオのチャンネル再編計画を発表したが、4,8Kのスポーツ中継は大相撲しかないようで、五輪の中止でパブリックビューも無くなれば普及は見通せない。そもそもYoutubeなどスマホの画面で十分だというZ世代が超高画質など喜ぶだろうか。新放送センターや大阪局の整備で番組制作予算は削られる一方、コンテンツ制作能力も確実に劣化している状況が現れ始めているが、もっと根本的なメディア再編を考える時が来ているのではないか。
 それとも、昨今は「テレスクリーン」への変貌を考えているということだろうか。

うさんくささの嗅ぎ分け2021年05月13日 11:43

生来の性格なのか、ちょっと“いかがわしい”ものに惹(ひ)かれる。怪しげではあるが、確かなものに裏付けられていることが自身の判断で窺(うかが)えれば、対象に関わらず興味が湧く。他人(ひと)のことは知らないが、私にはそうした経験が数知れないほどある。
 一方で、“胡散臭(うさんくさ)い”ものは苦手だ。そして、なぜか多くの人がそちらに引き寄せられるようだ。この二つの言葉に間にある微妙な違いを、それこそ江戸時代の庶民は良く解っていたのではないだろうか。理想的な社会を夢みながらも決して訪れることのないと誰もが考えていた封建社会が、少しずつ、しかし確かな足取りでほころび始める予感を、幕末の人びとは持っていたような気がする。
 歴史から学ぶというのはそういうことなのかもしれない。

失われた均衡を探す内省の旅2021年05月15日 11:44

先月から、ル・グウィンの『ゲド戦記』を寝る前に少しずつ読んでいる。魔法使いが出てくる数ある児童文学の中でも、ひときわ主人公が内省すること多い物語だが、以前から気になっていたキーワードがあった。読んでいて忘れそうな頃になると決まって繰り返される“均衡”という言葉だ。いわゆる「バランス」というような概念とは似て非なるものである。
 福岡伸一博士の「動的平衡」という言葉には少し似たような印象を持つけれど、清濁併せのむといった世渡りの作法ではないし、自分の中にある異質なモノとどう付き合うかという哲学とも違う。もっと大きなカオスから生まれた「ガイア」のような身体を含む自然環境に関わるイメージが伴う。“生かされて”いるという感覚が仏教にも近い。それが狂い始めているというのがこの物語の背景にある。
 魔法を魔法たらしめるためには、そのモノの「真(まこと)の名」を知らなければならない。だから、魔法使いには誰よりも本来の意味で“知る”ことが課される。逆に、自らの名を秘して生きることも求められる。それは、“知る”ことから免れた多くの人から孤立することを意味する。『ゲド戦記』とは自らの驕りから呼び出してしまった“影”を自らに包み込み“己を全きものとしたところ”から始まる物語なのだ。そこが出発点である。
 結末はまだずっと先だが、訳者の清水真砂子さんの言葉をEテレの「こころの時代」で聴いたことがある。戦争体験者がうらやましいと語った学生の声から生まれた「“平和を”生き延びる」大切さ、そして『ゲド戦記』外伝の「世界に希望が残されているとしたら、それは名もなき人々の中にある」というものだ。これから続きを読む物語の中にその意味が見つかるだろうか。

混乱が蔓延?2021年05月19日 11:46

ここ数日、仕事をする夢を見る。過去の勤務先での業務に留まらず、様々な場面が登場する。あまり、思うようにいかないことが多く、ストレスが溜まる気分で目覚めることもある。それだけに、現実社会のちょっと信じられない壊れ方を目にすると、まだ夢の中にいるように感じる。
 横浜は神奈川県での“まん防”重点措置地域になっているが、全国的には「まん防」ならぬ「GO TO GORIN」の“まん延促進”策が各所で依然として続いていると聞く。それをご丁寧に毎日録画して放送している局まである。どこか知らないが“リレーごっこ”みたいなことをしたところもあったと聞く。
 さて、本日、ワクチン接種券が届いた。「7月中に完了」という怪気炎が上がり、厚労省のホームページには自衛隊大規模接種センターの案内も掲示されているが、自治体との二重予約が防げないどころか、虚偽予約も可能なシステムの改修を当初は見送っていたそうだ。そもそも、1回目はともかく2回目は午前9時とか指定されたら冗談じゃないので、おとなしく地元で探すことにするけれど、7月末までが中抜きの最後の稼ぎ時ということだけは大変良くわかった。