保立先生の解説2021年11月19日 21:22

第9回「天籟能」のワークショップ第4回は、前半が韓国農楽の紹介、後半が保立先生の能の発生についての解説。
 農楽。別の名を風物(プンムル)とも呼ぶ伝統芸能の一つ。全羅道を中心に農業生産と深く結び付いた予祝の芸能だったが、村々に伝わっていく中で専門集団が生まれ、後の芸能にも大きな影響を与えている。「サムルノリ」で有名な四つの楽器を五人編成(チャングが二人)で実演。いくつかの陣法(地鎮を意味する演者の廻り方)も紹介された。
 後半は、聴いていてとてもワクワクするような解説。奈良・平安時代にかけての仏教伝来と時を同じくした芸能伝播の歴史。聖徳太子・秦河勝が活躍した集住地域と渡来音楽との関係。白河院を始めとする太子信仰と傀儡子の関係。願文に見る律宗へのつながり。都市化による田楽の流行と猿楽座の形成などなど、あの安田登さんが、詳しい話を聴きたいと願うような密度の濃い芸能史の一端だった。
 ワークショップだけでも一聴の価値があり、いよいよ本番が楽しみである。

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