玄関先のカブトムシ2023年07月29日 20:47

朝、古紙とプラスチックをゴミ捨て場に置きに行った帰り、玄関ドアのすぐ前に黒い物体が落ちているのを見つけました。とば口だったこともあって、出るときは気が付きませんでしたが、何やら大きな虫のよう。なんとカブトムシの雄です。
 近くに林もなく何故こんなところにいたのかはわかりません。酷暑に耐えかねて方向感覚が狂ったか。おかしな世の中に虫まで同調したのでしょうか。ともかく、拙宅で一休みしてもらい、残り物のキュウリを出しました。
 その昔、赴任先の九州佐賀のアパートにもアマガエルがやってきたことがあって、東京へ帰任した時も引き続き飼っていたことがありましたが、“生きもの”の面倒を見るのはやはり大変です。早々に新たな居場所を探してもらうべく、散歩がてら、丘の上の大倉山公園に移ってもらうことにしました。鬱蒼というにはほど遠い場所ですが、セミの鳴き声も響く涼しげな林の一角にある木の裏側に留まらせて戻ってきました。
 一休みして開いた今朝の朝刊には、『風の又三郎』を『又の風三郎』と間違って覚えていたカブトムシの斎藤さんが登場。そうか、あのカブトムシはもしかしたら斎藤さんだったのかもしれません。

君たちはどうするのか?2023年07月29日 20:50

一昨日、先々週末に公開されたスタジオジブリの『君たちはどう生きるか』を横浜ムービルへ観に行きました。公開前から関連情報が一切出なかったことで、二の足を踏んでいる人も多いのでしょうが、チラシ一枚さえ読まずに観るのが当たり前だった二十代の映画体験者としては何も特別なことではありません。ただ、ムービルという古い映画館の初回上映ということを差し引いても、観客数の少なさには少し驚きました。大手マスコミが触れることはないのでしょうが、従来の宣伝・広報を行わないこととあの“電通”がどのような関わり方をしたのか、していないのか。少し気になるところではありますが、そのあたりクレジットを見落としてしまったのでわかりません。
 劇場へ行って観て欲しいわけでしょうから、細かな内容には触れません。あのポスターにあるアオサギが狂言回しのような役で、“とりとめ”のない、それでいて壮大な物語が展開されます。ところどころに過去の作品やキャラクターを彷彿とさせる描写がジブリならではの細密な表現で次々に現れますが、なかにはアニメーションや映画へのオマージュを感じさせる設定もありました。
 先の戦争前後とおぼしき時代設定ではありますが、それは冒頭と最後にしか現れません。司馬遼太郎が“奇胎”と呼んだ時代とは関係なく、それが仮にどんな社会であったとしても何かを探して生き抜くためには、様々な苦難に立ち向かう強い気持ちが必要だろうということでしょうか。
 良くも悪くも世の中は続きます…。その為の処方箋はずっと描いてきたはずなので、後は自分で考えなさいという声がスクリーンから聞こえてくるようでした。