無常への憧憬?2023年05月24日 19:38

このところ心が少しずつ沈んでゆくような感覚が続いています。元々、物事をやや悲観的に見がちなところはあるのですが、ここまで社会が劣化・衰退していく状況を見るのは生まれて初めての経験なので、まだ身体が慣れていないのかもしれません。そんな時、実は自分の好きなものの多くが「無常」観とつながっているのを改めて意識することになりました。
 たとえば、小説であればディストピアSFや船戸与一・飯嶋和一などの作品に強く惹かれます。音楽は民族音楽やブルース・琉歌・モリコーネ。それにニキータ・デービスが唄いカレン・カーペンターや石嶺聡子らがカバーした「The End of the World」も好きでした。漫画ならカムイ伝や無用ノ介・童夢・ナウシカ、映画で言えば、ジュゼッペ・トルナトーレの作品群。西部劇でも繰り返し観たのは『Once Upon a Time in the West』と『Dances with Wolves』。ドラマでは向田邦子と三谷幸喜脚本の一部、韓国関連では「イ・サン」の主人公正祖に詩人尹東柱など。
 それらは、なぜか、滅びたり失われたりするかも知れない世界へ立ち会うことへの少し拗れた“憧憬”のような想いを起こさせるのです。もしかしたら、カルトとヘイトに侵されたこの時代の方がようやく私に追いついてきたのか。時々そんな不遜なことを考えてしまいます。^^;