きなくさい時代の送辞2023年03月04日 19:03

録画デッキの記録可能時間が減ってきたので、少し増やそうと古い番組を消去・整理しているうちに、つい見てしまうことがよくあります。今日もまた、同じ番組にひっかかりました。それは、2013年に放送された大河ドラマ『八重の桜』第49回です。
 「再び戦を学ばず」という副題で12月8日に放送されたものですが、主人公の兄である山本覚馬(演:西島秀俊)が急逝した新島襄に代わり同志社の卒業式で訓示を述べるシーンです。
 この回のクライマックスであると同時に、シリーズ全体、いや歴代の大河ドラマの中でもひときわ印象に残る名シーンの一つに数えることができると思います。見返しているうちに、その台詞を書き出してみたくなりました。
 「諸君は学業を終え、これからそれぞれの仕事に就かれる。どうか弱いものを守る盾となって下さい。嘗(かつ)て私は会津藩士としてたたかい、京の町を焼き、故郷の会津を失いました。その償いの道は半ばです。今、世界が力を競い合い、日本は戦に向けて動き出した。どうか聖書の一節を心に深く刻んで下さい。その剣(つるぎ)を打ち替えて鋤(すき)と成し、その槍を打ち替えて釜と成し、国は国に向かいて剣を上げず、二度と再び戦うことを学ばない。諸君は一国の、いや世界の良心であって下さい。いかなる力にも、その知恵で抗(あらが)い、道を切り開いて下さい。それが、身をもって戦を知る私の願いです」
 卒業シーズンとなりました。今年の卒業式にはどのような言葉が贈られるのでしょうか。

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