報いの時を迎えた群像劇2022年12月31日 15:55

過日、NHKの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を見終えました。一年を通して多くの視点による歴史の“if”を楽しませてくれた名作だったと思います。特に、上総介の手習い、頼朝の夜這い、義経の狩りなど、前半に見られた遊び心のあるシーンがとても印象に残っています。謀殺や誅殺が次々と行われていた時代の締めくくりを「報いの時」で閉じた脚本は、そのまま現政権与党の為政者たちに読ませたい気分です。
 今回、番組クレジットが大幅に拡充されたせいで、タイトルバックに入らないスタッフ名称が本編にスーパーされていましたが、その中に新しく入った「カラーグレーディング」の肩書きと懐かしい後輩の名前を確認することができました。その昔、プリプロからは“色補正”と呼ばれ、名前が載ることもない映像調整の業務に長く携わった者の一人として、ようやくここまで辿り着いたかという感慨があります。
 三谷幸喜の作品としては、2011年の春にKAATで観た『国民の映画』以来でしたが、等身大の人間に潜む恐ろしさを、全く別の角度から感じさせてくれるものでもありました。

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