イ・ジアンの代表作2022年10月25日 23:38

芸達者が次々と出てくる韓国の若手女優の中で比較的ドラマ出演を観る機会の多かったIUことイ・ジウンの『私のおじさん(나의 아저씨)』を見終わった。韓ドラの日本での放映情報を一覧で知ることができるWebページから、いつも適当に選んできた中に、たまたま「ドリームハイ」・「最高です!スンシンちゃん」・「プロデューサー」という3作があって、少しずつ彼女の成長する姿を見てきたことになるが、今回の演技はとても素晴らしかった。
 イ・ソンギュンが部長に扮する建設会社で派遣社員として働く設定だが、借金と介護に追われ、内向的な性格で世間との交歓もできない孤独な生活を送っている。その彼女が、社内の派閥競争に巻き込まれ、上司である部長の携帯に盗聴を仕掛けるところから話は意外な方向に展開する。
 受信機を通して聞こえてくるイ・ソンギュンの声は、映画「パラサイト」でも印象的だったが、低くて太い魅力的な声である。それを聴くイ・ジアン(役名)の表情が少しずつ回を重ねる毎に変わっていく。もちろん、対面の芝居でも、シーン中に少しずつ変化する感情表現が豊かで、台詞のあいだの“間”を意識した演出も光っていた。
 最終回で、映画『誰も知らない』(監督:是枝裕和)へのオマージュがさりげなく台詞に含まれていたが、未見の『ベイビーブローカー』でイ・ジウンをキャスティングしたのは、このドラマがあったからなのだろうか。

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