無責任な公共放送2019年10月17日 18:30

昨年春、かんぽ生命保険の“不適切”販売をNHKの放送番組「クローズアップ現代+」が取り上げたことに対し、日本郵政グループからの申し入れを受けたNHK経営委員会が会長を「ガバナンス強化」の名目で厳重注意していたことが、先月26日に判明した。その後、10月3日に行われた野党の合同ヒアリング後、元総務事務次官の日本郵政鈴木康雄上級副社長が「それじゃ暴力団と一緒でしょ。撲っておいて、これ以上撲ってほしくないならもうやめてやる、俺の言うことを聞けって。ばかじゃないの」と述べたと、東京新聞が報じている。
 放送当時、NHKは続編を放送するために情報提供を呼び掛ける動画をネット上に投稿したが、この動画について郵政側は上田会長宛に「犯罪的営業を組織ぐるみでやっている印象を与える」として削除を申し入れた。
 こうして、かんぽ生命の“不適切販売”は一時的に闇に葬られ、再び問題化するまでの間に多くの被害者を出し続けることになった。管見による限り「みなさまのNHK」がこの多くの“被害者”に対して責任を感じているようには思えない。この際、これまでに明らかになったことと報道メディアとしての責任について、どこかの局が取り上げてくれないものだろうか。もちろん「ETV特集」でも構わないのではあるが…。