持続可能を目指す若者2019年02月04日 19:23

先週末、Facebookで直前に知ったイベントに参加した。国連が設定したSDGs(持続可能な開発目標)への様々な取り組みを市民に紹介する「よこはま国際フォーラム2019」という催しの中にそれはあった。「外国につながる若者たちのチャレンジ」というYOKE(横浜市国際交流協会)が主催したセミナー形式の報告会である。
 “外国につながる若者たち”と一言でいっても少しわかりにくいが、“チャレンジ”の主体である「にじいろ探検隊」というグループに関していえば、何らかの事情で幼い頃に家族に帯同し日本にやってきた子どもたちがあてはまる。その“子どもたち”が地域社会の中に見つけた「居場所」が、日本語を中心とする学びの場であったところから話は始まる。親の都合で転入したものの学校を含めた地域社会で孤立しがちな子どもたちを、永年に渡り地元の「なか国際交流ラウンジ」が支援してきた。そして、今度はそこで学び成長した彼ら自身が、その場の主体となって取り組んだこの一年の活動を報告するというものだった。
 報告会に参加したメンバーは高校生が中心で、一期生の大学生リーダーがまとめ役である。日本に来て間もない頃、アニメの世界でしか知らなかった日本語は、とりあえず借りて使うだけのもので、なかなか彼ら自身の言葉にはならなかった。そうした彼らに自己肯定感を与え、居場所を支え続けた一人が、現在「なか交流ラウンジ」の館長でもある中村暁晶さんである。中国出身で自身も若いときに国をまたぐ経験をしたという。日本語が不自由という他者が貼るラベルではなく、子どもたちが本当の自分を見つけ出すまで付き合うことで、彼らの絶大な信頼を得ている。
 そうした先達の影響で、彼らは自らも行動を起こした。ラウンジの中に「Rainbowスペース」を作り同じ境遇の若者と交流する一方、地域社会の日本人ともつながりを持ち始めている。一昨年の暮れに発足してから一年、確かな足取りで、“持続可能”な共生社会を目指しているように見えた。頼もしい若者たちである。

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