あわいのフィクション ― 2022年07月03日 22:44
暑さで眠れない夜に安田登さんの『魔法のほね』(亜紀書房)を読み出したら止まらなくなりました。『あわいの力』(ミシマ社)以来、能や古典に限らない多様な著作に触れてきましたが、今回は初めてのファンタジー小説です。
今まで見えなかった異世界に出会ったことから“文字”の出自を知り、はるか昔の“心”のなかった時代へと遡る少年たちの旅は、今までに安田さんが繰り返し語ってきた話題を一つの「物語」へと結ぶものだったような気がします。
「見捨てられた店」の主はオルオルじぃじの化身のようでもあり、色が付いて浮き出る甲骨文字には共感覚が見て取れます。“羌族”を救うために象形を駆使してミッションをクリアするアドベンチャーゲームのような後半は、思わず漢語辞典を座右に置いて読み進めたい気分です。
生きにくい時代に依るべき“モノ”は、大仰な脅しの言葉ではなく、まだ良く分からないものの中にきっと隠れているのでしょう。それを探すための“工夫”が溢れている読み物でした。
それにしても、冒険譚の主人公たちは、なぜ男二人女一人という話型が多いんでしょう。人間ではありませんが、幼い頃に観たディズニーの実写映画『三匹荒野を行く』でも主人公は犬二匹猫一匹という組合せでした。“三つ”の関係性が物語に豊かな表現を与えるキモなのかもしれません。
今まで見えなかった異世界に出会ったことから“文字”の出自を知り、はるか昔の“心”のなかった時代へと遡る少年たちの旅は、今までに安田さんが繰り返し語ってきた話題を一つの「物語」へと結ぶものだったような気がします。
「見捨てられた店」の主はオルオルじぃじの化身のようでもあり、色が付いて浮き出る甲骨文字には共感覚が見て取れます。“羌族”を救うために象形を駆使してミッションをクリアするアドベンチャーゲームのような後半は、思わず漢語辞典を座右に置いて読み進めたい気分です。
生きにくい時代に依るべき“モノ”は、大仰な脅しの言葉ではなく、まだ良く分からないものの中にきっと隠れているのでしょう。それを探すための“工夫”が溢れている読み物でした。
それにしても、冒険譚の主人公たちは、なぜ男二人女一人という話型が多いんでしょう。人間ではありませんが、幼い頃に観たディズニーの実写映画『三匹荒野を行く』でも主人公は犬二匹猫一匹という組合せでした。“三つ”の関係性が物語に豊かな表現を与えるキモなのかもしれません。