落ちゆく報道メディア2016年11月13日 22:40

 もともとテレビはあまり見ない方だと何度も書いておきながら恐縮だが、唯一地震が起きた時、余程大きな揺れでなければ、発生場所やらの情報を確認しようとテレビのスイッチを入れる癖がある。そのため、以前は見終わってから主電源を切る前に、必ずある特定のチャンネルへ戻しておくという習慣があった。

 しかし、このチャンネルのニュース報道に信頼を疑わせる事態が長く続いたため、ずいぶん前から隣のチャンネルを選ぶようにして電源を切るようになった。

 報道というものの信頼性を、何を伝えるかではなく、何を伝えないのかを基準に考えるようになった時、かのチャンネルのニュースは“信”を置くに価しないという判断に進んだ。また、匿名による意見を視聴者の声として“選択”採用していることにも真意を疑った。それ以上に、経済政策、教育、福祉など社会基盤の整備に関してことごとく後退している現政権へのチェック機能を果たさないことに幻滅を通り越して怒りを感じることもある。

 まことに悲しいことではあるが…それが現実だ。

 ちなみに、公益財団法人「新聞通信調査会」の全国世論調査によれば、くだんの放送局の情報信頼度は各メディアの中で最高位(69.8%)だそうだ。もちろん、それは二つのチャンネルを合わせた結果でもあるが、長く続けている調査報道のドキュメンタリー枠や福祉・教育関係の地道な取り組みによる信頼を、デイリーニュースが大きく損ね、報道機関としての存在理由を失うかもしれないという自覚が果たしてあるのだろうか。

 EU離脱に伴い、BBC1の放送終了時に「God Save the Queen」を流すべきだする保守党議員から出た下院での動議に対し、BBC Newsnightはセックスピストルズによる「God Save the Queen」を放映して応えたという。「ファクトチェック」はもちろんのこと、このような姿勢が本来のジャーナリズムだ。

 まもなく、かの放送局のトップの任期が終わる。「政府が右と言うものを、左と言うわけにはいかない」と発言した人だ。果たして次はどうなるのだろうか。