自らを見直すことになる手直し2022年11月29日 23:46

地元の日本語教室で担当している学習者の作文を添削し始めて1年半ほどになります。日本語教師のように体系だった知識の持ち合わせのない私は“ただのネイティブ”なので、できたものはあくまでも「一つの例」として示しますが、それでも、一緒に考えながら対話を重ねていく中で、学習者の作文が段々と上達していく様子を見るのは嬉しいかぎりです。
 9月後半から加わったもう一人の学習者にも勧めたところ、同じレッスン仲間に刺激を受けたのか、当初は会話だけを希望していた人が、少しずつ書き始めるようになりました。
 作文は事前にメールで送ってもらい、前日ぐらいまでに添削して送り返します。それぞれが、身近な話題から社会的な問題まで、外国語で表現する難しさを感じながら取り組んでいます。その時に、私が意識するのは一人称です。自分はどう考えるのかという自身の考えや想いをどのような字句や語彙によって表現するのかを、学習者と確認し直しながら検討します。
 同時にそれは、一日本人としての自分を見直す場でもあります。彼女らの作文にはくだらない技巧はありません。真摯な言葉が並びます。だからこそ添削は難しい。
 現政権の閣僚が棒読みする詭弁や、“有識者”とやらが出すお手盛りの言葉などとは対極にあります。その落差に呆然とする日々です。

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