空語が蔓延する日本語2020年10月24日 14:37

港北国際交流ラウンジの日本語教室が再開し、NPOで日本語学習を支援している留学生からスピーチ大会へのアドバイスを求めるメールが届いた。7ヶ月以上のブランクを経て、以前の生活のごく一部ではあるが動き始めた感がある。もちろん、コロナ禍が簡単に治まることはないだろうという懸念は続いているし、実際社会全体も恐る恐る“新しい生活”を模索しているところだ。その中、一方に「Go To ○○」という税金の中抜き事業で私腹を肥やす政商があり、一方に日々の暮らしにも事欠くありさまの人々が増えている。それでも、この国に大きく変わる気配はない。毎日の生活に追われる振りをしているのか。ただ、為政者の言いなりになって黙々と過ごしているのだろうか。
 日本に住む外国人と日本語で話しながら私がいつも感じるのは、彼らが母語ではない言葉を使って、自分の意思をはっきり伝えようとしている態度だ。学習支援を受けているという“立場”を差し引いてもなお、その発言は自立している。同調圧力の強い社会で“異人”でいることの危うい状況に日々置かれているわけだから無理もないと言えばそれまでだが…。
 しかし、一つだけ言えることは、彼らの言葉は“信じるに足る”ものであるという確かな実感がある。だからこそ、私もそこから学べる。掛け替えのない時間が少しずつ戻ってきた。

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