暴走する“こども大人”2019年12月28日 19:12

臨時国会を閉会して「桜を見る会」疑獄への追求を逃れようとするばかりか、火事場のどさくさに紛れて“調査・研究”名目で海上自衛隊を中東へ派遣するという。中村哲さんの遺志を踏みにじる現政権のありようは、その無法ぶりを放置してきた多くのマスコミの無策と共に、2019年という年に生きている私たちが後の世代に指弾される大きな理由となるだろう。
 27日付けの琉球新報が、クリスマスの深夜に民家へ押し入って暴行・窃盗を行った米軍兵の逮捕を報じている。“軍”とはそういうものだ。“国家”の名の下に何をやっても良いという免罪符を与えられれば、普通の人間がいくらでも傍若無人になる。ましてや、“あおり”運転に象徴される幼稚で身勝手な“こども”が横行する社会を考えてみれば、“人殺し”の道具を携帯する人間によるほんのわずかなほころびが、取り返しのつかない重大事につながる可能性はいくらでもある。
 文化・教育予算に匹敵する“武器買い”の果てに、使わずには済ませられなくなる“こども”の論理が跋扈し始めて、その結果として仮に死者が出ることになれば、それを憲法“改悪”のきっかけにしようとするのは火を見るより明らかなことだ。今のままなら阻止することは難しいかもしれない。
 日本に留学して、この国で就職したいと学んでいる留学生や、既に就職して働いている元留学生に、早く母国へ帰った方が良いと言わなければならない日が、一歩一歩近づいていることを感じる年の暮れである。