見えなくてもできること2019年05月25日 12:54

先週からあちらこちらに出掛けていたせいか電車内での読書が進み、本日一冊の新書を読み終わった。『目の見えない人は世界をどう見ているのか』伊藤亜紗(光文社新書)。先週この欄で紹介した「自立とは依存先を増やすこと」もそうだし、巻末に近いところでは「見えないことが障害なのではなく、見えないから何かができなくなる。そのことが障害だ」という言葉もある。大量消費社会の均一な物作りが社会的な障壁を生み、障害があっても“できること”があったはずなのに、画一化された“できない”というレッテルを張られてしまう。そういう社会の側にこそ“障害”があるのではないか。そんな視点の転換を促す良書だ。ヨシタケシンスケさん描くカバーがかわいい。