無国籍と個人 ― 2017年09月28日 00:29
先の日曜日、なか国際交流ラウンジが主催した中区多文化フェスタの一環として開かれた講演会を聴きに行って来ました。場所は横浜開港記念会館、国の重要文化財にも指定されている歴史的建築物です。
講師は『無国籍』という著書でも知られる陳天璽さん。国際政治に翻弄された台湾出身の父母のもと横浜で生まれますが、日中国交回復に伴う台湾との国交断絶を経て、その後の30年近くを“無国籍”で過ごした人です。もちろん外国人登録を行い永住者として日本での生活をしてきたわけですが、就学・就職を始め、海外からの再入国など、至るところでそのアイデンティティを問われてきた経験があり、それを簡潔に語りました。
講演後、外国につながる3人の子どもたちからも日本語で短いスピーチが行われ、今なお外国人として共生するうえでの諸問題や、そこから彼女らが見いだした将来の夢なども壇上で紹介されました。
講師はもちろん、スピーチを行った3人にも、自分自身への深い内省を持つ時間が生み出した、その人なりの言葉の“チカラ”があったと思います。そこには、個性もスタイルも指向もそれぞれに違いながらある共通性を感じました。それは、もしかしたら一人の人間、つまり“個人”としてあるということではないか。他の誰でもない、その人ならではの、信じられる言葉だったからこそ感じたものかもしれません。
インターネット上のSNSなどに見られる匿名の言葉が、それが例え人間のものであったとしても本質的に信を置けないように、口先ばかりの政治家の妄言を日々そのままに垂れ流すメディアからの情報もまた、信ずるに足る言葉を見つけられない大きな原因になっていると思います。
そうした時、ネットもテレビも消して、“個人”として発言する言葉を聴きに行くことから、信ずるに足る言葉を探し出すことができるかもしれない。憲法から「個人」という言葉を抹殺しようとしている人たちから、他の誰でもない自分自身を取り戻す時間はもうあまり残されていないかもしれませんが・・・。
講師は『無国籍』という著書でも知られる陳天璽さん。国際政治に翻弄された台湾出身の父母のもと横浜で生まれますが、日中国交回復に伴う台湾との国交断絶を経て、その後の30年近くを“無国籍”で過ごした人です。もちろん外国人登録を行い永住者として日本での生活をしてきたわけですが、就学・就職を始め、海外からの再入国など、至るところでそのアイデンティティを問われてきた経験があり、それを簡潔に語りました。
講演後、外国につながる3人の子どもたちからも日本語で短いスピーチが行われ、今なお外国人として共生するうえでの諸問題や、そこから彼女らが見いだした将来の夢なども壇上で紹介されました。
講師はもちろん、スピーチを行った3人にも、自分自身への深い内省を持つ時間が生み出した、その人なりの言葉の“チカラ”があったと思います。そこには、個性もスタイルも指向もそれぞれに違いながらある共通性を感じました。それは、もしかしたら一人の人間、つまり“個人”としてあるということではないか。他の誰でもない、その人ならではの、信じられる言葉だったからこそ感じたものかもしれません。
インターネット上のSNSなどに見られる匿名の言葉が、それが例え人間のものであったとしても本質的に信を置けないように、口先ばかりの政治家の妄言を日々そのままに垂れ流すメディアからの情報もまた、信ずるに足る言葉を見つけられない大きな原因になっていると思います。
そうした時、ネットもテレビも消して、“個人”として発言する言葉を聴きに行くことから、信ずるに足る言葉を探し出すことができるかもしれない。憲法から「個人」という言葉を抹殺しようとしている人たちから、他の誰でもない自分自身を取り戻す時間はもうあまり残されていないかもしれませんが・・・。
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