おもねりから生まれる支持率2017年07月24日 18:42

 今年に入ってからの現政権の支持率変遷の様子を見ながら考えることがある。
 森友学園への国有地提供の問題でもさほど大きく変わることがなかった支持率がここにきて大きく落ちた。森友問題から、国家戦略特区がらみで首相の友人が経営する加計学園への“超”厚遇に関わる疑惑に焦点が移ったとたん、雑誌ジャーナリズムを中心にテレビのワイドショーも後追いを始めた。未だ頑なに支持を続ける解説者やお笑いタレントもいる中、国民世論の主旋律は明らかに次の政権への委譲を求め始めているように聞こえる。
 しかし、その理由が、安倍晋三氏の身贔屓への不信や失望からくる憂慮なのだとしたら、今まで現政権が進めてきた非民主主義的政策の数々を、あらためて顧みることで本来の立憲主義に基づく政治に戻そうという力が働くのかどうか。そのことが気にかかる。
 “アンダーコントロール”と“偽マリオ”で始まった東京五輪が、自殺者を出しても既定の路線をひた走って止まらないように、“秘密保護法”・“戦争法”・“共謀罪”、そして「教育勅語」も、次の政権で見直されることなくそのまま引き継がれていくのではないかという不安を拭うことができない。
 留学生が「それでも…よりましな政治体制」として受け止めている日本という国が、これからどうなっていくのか。いまだに応える自信はない。