オオシマザクラに見る自然2017年04月10日 16:28


 大倉山公園には少しだが桜もある。人混みを避けて、先週、平日の昼下がりを選び立ち寄ったときには六分咲きぐらいだった。梅林の梅の木のように多品種を競って植えられているわけではないので、おそらくはほとんどがソメイヨシノのたぐいなのだと思っているが、その中に何本か真っ白な花を付けた樹種がある。

 江戸駒込染井村の植木職人によって作られ、園芸種として爆発的に日本全国へと広まったソメイヨシノとその変種に圧倒され、街中で野生種の桜を観ることは少ない。その中でソメイヨシノの元になったオオシマザクラは、丈夫な上に、その葉の塩漬けが桜餅に使われることもあって、時々みかけることがある。

 花と葉のバランスが良く、花ばかりのソメイヨシノと比べても奥ゆかしい品がある。古来から山桜を愛でてきた歴史を考えれば、多くの和歌がこのような花と葉のコントラストに美を見いだして詠んだものかと思われる。たかが百数十年前に創られた“伝統”を振りかざし押しつけようとする前に、少しでもこの国の風土と、恵まれた自然を取り戻したほうが得策ではないか。

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